
前回、前々回では初値から35日後に上がっている銘柄の特徴について解説しましたが、今回は7営業日と比較的短いスパンでの検証結果を見ていこうと思います。
結論から申し上げますと、7営業日における有効なトレード手法は、当選本数が1万本以上(100万株以上)の銘柄を狙うということです。
■証拠(検証結果)


当選本数が5,000本以下の検索結果は全部で259件でその期待値は-3.45%です。
当選本数が5,000本から9,999本の検索結果は214件でその期待値は-3.54%です。
これに対して、当選本数が1万本から99,999本では、検索結果は286件で期待値はプラス4.02%になりました。
当選本数が10万本以上の大型上場株は検索結果が57件でその期待値は1.91%と若干のプラスです。
当選本数が多い銘柄の期待値がプラスになっていることから、当選本数が少ない銘柄より、多い銘柄の方が短期的には上がりやすということが分かります。
また、若干ではありますが、初値価格も影響するようです。
初値価格が2,500円以上では期待値はマイナスになります。
これに対し、初値価格が2,500円以下では期待値がプラスに転じます。
初値が5,000円以上の検索結果は171件⇒期待値は-2.92%とマイナスの結果です。

初値が2,500~4,999円の検索結果は290件⇒期待値は-2.37%とマイナスの結果です。

初値が1,000~2,499円の検索結果は293件⇒期待値は2.06%と若干のプラスです。

初値が999円以下の検索結果は62件⇒期待値は3.09%と若干のプラスです。

以上の内容をまとめると、以下の2点の特徴が浮かび上がります。
1、当選本数が少ない銘柄より多い銘柄の方が、初値を付けてから1週間くらいは上昇しやすい。
2、初値が2,500円以上の値嵩株より初値価格が安い銘柄の方が1週間くらいは上昇しやすい。
1の当選本数が少ない銘柄より多い銘柄の方が上昇する理由はなんでしょうか?
おそらく、当選本数が少ないと、その少ない株に買いが殺到し初値が高くなってしまうことが原因の様な気がします。
つまり、高く寄った結果、出来高が減少するにしたがい本来の理論株価に近づくように株価が下がるといったところでしょうか。
また、2の価格が安い銘柄の方が上がりやすいに関してですが、価格の高い値嵩株は個人投資家が手を出しにくい銘柄で、個人の買いが続かない=結果出来高が減少するに連れて株価も下がる。
これに対して価格が安い銘柄は、個人が買いやすいので買われる=出来高が維持される傾向にあるのではないでしょうか?
この辺は個人の意見ではありますが、大切なことは過去検証の結果に基づいたトレードを行うことだと思います。
これまで、『勝てるIPOセカンダリ投資法 その1』から『勝てるIPOセカンダリ投資法 その4』までは、上場後1週間以上のスパンでの上昇銘柄について解説してきましたが、『勝てるIPOセカンダリ投資法 その5』では初値から翌日始値の短期売買での検証結果を報告しています。
その5では、まさかの結果に・・・。驚きを隠せません。