ロジックNo.10連続ストップ高した銘柄を翌日始値で空売りして終値で買い戻す

IPOセカンダリ投資法
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連続ストップ高銘柄の翌日空売り戦略(ロジックNo.10)解説

株式市場では、時に特定の銘柄が急騰し、連日ストップ高となることがあります。このような過熱感のある銘柄の反落を狙う逆張り戦略が「ロジックNo.10」です。この戦略は信用取引を用いた空売りを行うため、リスクを十分に理解した上での活用が求められます。

ロジックNo.10の基本的な考え方

このロジックの基本的な売買ルールは以下の通りです。

  1. 空売り条件: ある銘柄が1回、2回、3回、または4回連続でストップ高となる。
  2. 空売りタイミング: 上記条件を満たした翌営業日の始値(寄り付き価格)で空売り(信用売り)注文を入れます。
  3. 買い戻しタイミング: 原則として、空売りした当日の終値(引け価格)で買い戻し注文を入れ、決済します。

例外的な決済ルール

空売りした当日に再びストップ高となり、価格が張り付いてしまい買い戻しができないケースも考えられます。その場合は、翌営業日の終値で買い戻しを行うという決済ルールで計算・検証されています。

バックテストについて

この空売りロジックの有効性を検証するため、過去のデータを用いたバックテストが行われています。提供されたデータ(test10start2011end2025d100000renzoku2.csv)は、2011年から2025年(データ上の期間)までのシミュレーション結果を示しています。

具体的なトレード事例

実際のトレード例を見てみましょう。

成功トレード例:坪田ラボ (4890)

銘柄コード銘柄名空売り日空売り価格買戻し日買戻し価格損益率 (%)
4890坪田ラボ2024/3/12499 円2024/3/12395 円+20.84 %
https://kabuken.online/?p=2022&kp=29&date=2024/3/12&dateExit=2024/3/12&rate=499&rateExit=395

トレードの背景:

  • 2024年3月8日: 始値387円、高値387円、安値387円、終値387円 (寄らずのストップ高)
  • 2024年3月11日: 始値467円、高値467円、安値467円、終値467円 (寄らずのストップ高)
  • 上記により、「2日連続ストップ高」と判定され、ロジックの空売り条件に合致しました。
  • 2024年3月12日: 寄り付き価格(始値)499円で空売りを仕掛けました。同日の取引では、高値511円、安値390円を付け、終値は395円でした。
  • 当日の終値395円で買い戻しを行い、+20.84%の利益となりました。

この例では、連続ストップ高後の反落をうまく捉え、利益を得られたケースを示しています。

失敗トレード例:バリュークリエーション (9238)

銘柄コード銘柄名空売り日空売り価格買戻し日買戻し価格損益率 (%)
9238バリュークリエーション2025/3/141114 円2025/3/171392 円-24.96 %
https://kabuken.online/?p=2023&kp=76&date=2025/3/14&dateExit=2025/3/17&rate=1114&rateExit=1392

トレードの背景:

  • 2025年3月12日: 始値954円、高値964円、安値954円、終値964円 (ストップ高)
  • 2025年3月13日: 始値1114円、高値1114円、安値1087円、終値1114円 (ストップ高)
  • 上記により、「2日連続ストップ高」と判定され、空売り条件に合致しました。
  • 2025年3月14日: 寄り付き価格(始値)1114円で空売りを仕掛けました。しかし、この日は高値1414円、安値1060円となり、終値は1414円のストップ高に張り付いてしまい、当日中に買い戻しができませんでした。
    • (株価データ: 2025/3/14 始値1114 高値1414 安値1060 終値1414)
  • 例外的な決済ルールが適用され、翌営業日の2025年3月17日の終値で買い戻しとなりました。
    • (株価データ: 2025/3/17 始値1504 高値1666 安値1350 終値1392)
  • 結果、買戻し価格は1392円となり、-24.96%の損失(踏み上げ)が発生しました。

この例は、空売り後にさらに株価が上昇し、ストップ高で買い戻せない場合に損失が拡大するリスク(踏み上げリスク)を示しています。

まとめと注意点

連続ストップ高銘柄の翌日空売り戦略(ロジックNo.10)は、過熱感のある銘柄の短期的な調整を狙う手法です。成功すれば大きな利益を得られる可能性もありますが、空売りには特有のリスクが伴います

  • 踏み上げリスク: 空売り後に株価が上昇し続けると、損失が拡大します。買いの場合は損失が投資元本に限定されるのに対し、空売りの損失は理論上無限大となる可能性があります。
  • 買い戻し不能リスク: バリュークリエーションの例のように、ストップ高が続いて買い戻しができず、意図しないタイミングでの決済となり損失が拡大する可能性があります。
  • 信用取引コスト: 空売りには金利や貸株料などのコストがかかります。
  • 空売り制限: すべての銘柄で空売りができるわけではありません。規制により空売りが制限される場合もあります。

​楽天証券、SBI証券、松井証券の「1日信用取引」における空売り手数料について、以下の通り比較しました。​


📊 主要ネット証券3社の「1日信用」空売り手数料比較

証券会社取引手数料金利・貸株料特別手数料(空売り料)強制決済手数料
楽天証券0円HPで確認特別空売り料(銘柄ごとに変動)HPで確認
SBI証券0円HPで確認HYPER料(銘柄ごとに変動)HPで確認
松井証券0円HPで確認プレミアム空売り料(前営業日終値×最大1%/日)HPで確認

📝 各社の特徴と注意点

🔴 楽天証券「いちにち信用」

  • 手数料・金利・貸株料:​すべて無料(0円・0%)
  • 特別空売り料:​制度信用で空売りできない銘柄に対して、1日あたり1株ごとに発生。銘柄により変動
  • 強制決済手数料:​当日中に返済されない場合、翌営業日に強制決済され、2,200円(税込)の手数料が発生

🔵 SBI証券「HYPER空売り」

  • 手数料・金利・貸株料:​当日中の返済であれば、手数料・金利・貸株料はすべて無料
  • HYPER料:​制度信用で空売りできない銘柄に対して、銘柄ごとに設定されたHYPER料が発生
  • 持ち越し時のコスト:​当日中に返済されない場合、翌日以降は年率1.8%の貸株料とHYPER料が発生 ​

🟢 松井証券「一日信用取引」

  • 手数料・金利・貸株料:​すべて無料(0円・0%)
  • プレミアム空売り料:​制度信用で空売りできない銘柄に対して、1日あたり1株ごとに前営業日終値の最大1%が発生
  • 強制決済手数料:​当日中に返済されない場合、3,575円(税込)の手数料が発生

✅ まとめ

  • コスト重視のデイトレード:​楽天証券と松井証券は、手数料・金利・貸株料がすべて無料で、デイトレードに適しています。
  • 制度信用で空売りできない銘柄の取引:​SBI証券のHYPER空売りや松井証券のプレミアム空売りを利用することで、制度信用で空売りできない銘柄の取引が可能です。
  • 持ち越し時のコスト:​SBI証券では、当日中に返済されない場合、貸株料とHYPER料が発生します。楽天証券と松井証券では、強制決済時に手数料が発生します。

ご自身の取引スタイルや対象銘柄に応じて、最適な証券会社を選択してください。

このロジックは、あくまで過去データに基づく検証であり、将来の利益を保証するものではありません。特に空売り戦略は高いリスクを伴うため、信用取引の仕組みとリスクを十分に理解し、厳格な資金管理とリスク管理のもと、自己責任で慎重に判断する必要があります。

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