2026年10月10日更新・公式ルール確認
- プロップファーム出金時にEA・cBotは止めるべき?報酬受取後の残高と損失制限を開発者が解説
- 最初に知っておきたい用語
- プロップファームの「出金」とトレード損失は別のもの
- EAが出金を「大きな損失」と勘違いするとどうなる?
- 私なら報酬受取を「運用サイクルの区切り」にする
- プロップファーム6社を比較|出金後のEA・cBotはどうなる?
- Fintokei|報酬受取後は残高と日次損失ラインを確認する
- Funded7|Payout申請中はEA・cBotを取引再開させない
- FTMO|Reward申請前にポジションと予約注文を閉じる
- Fundora|報酬条件とcBotの再起動を分けて考える
- FundedNext|出金後に損失余力が小さくなる場合がある
- PipFarm|出金後の損失ラインは口座タイプによって変わる
- EA・cBotへ実装するなら、残高だけでなく口座全体を管理する
- VPSとcTrader Cloudでは再起動後の確認方法も変わる
- バックテストだけでは出金後のリスクを確認できない
- 出金後にEAを再開する前のチェックポイント
- よくある質問|出金時のEA・cBot運用
- 報酬の受取方法や他社のルールも確認しておく
- まとめ|出金後はEA・cBotの基準値を更新してから再開する
プロップファーム出金時にEA・cBotは止めるべき?報酬受取後の残高と損失制限を開発者が解説
プロップファームのチャレンジを突破し、Funded口座やPro口座で利益が出るようになると、次に考えなければならないのが報酬を受け取ったあとのEA・cBot運用です。
「報酬を受け取ると口座残高はどうなるの?」
「出金するとEAを一度止めた方がいい?」
「出金後も同じロットで自動売買を続けて大丈夫?」
自分で売買しているなら、報酬を受け取ったあとに口座の状態を確認し、次のトレードを始められます。
ところがEAやcBotでは少し事情が違います。
トレードで負けて残高が減ったのか、報酬を受け取ったために残高が変わったのか。 この違いを自動売買システムが正しく判断できない場合があるからです。
私なら、報酬を申請する前にEA・cBotの新規取引を止め、必要な決済処理を確認します。
そのうえで、報酬処理後の残高、含み損益、日次損失制限、最大損失制限を確認し、必要ならロットを調整してから再開します。
ただし、すべてのプロップファームに「出金時はEAを停止しなければならない」という共通ルールがあるわけではありません。会社やプランによって、報酬申請中の取引可否や口座の扱いが違います。
重要なのは、単純にEAをON・OFFすることではありません。
報酬を受け取って口座の状態が変わったとき、自動売買の損失管理も正しい状態へ更新できるか。 ここが本当のポイントです。
監修・執筆:まさやん
MT4・MT5のEA・インジケーター、cTrader・cBot関連システムなど200個以上を開発・制作・検証。自動売買では利益を狙う仕組みだけでなく、日次損失、最大損失、複数ポジション、再起動後の安全性まで重視しています。
最初に知っておきたい用語
この記事では、プロップファームの報酬やEA・cBotのリスク管理について説明します。
少し専門的な言葉も登場するので、まずは重要な用語だけ簡単に整理しておきましょう。
| 用語 | 簡単な意味 |
|---|---|
| プロップファーム | 取引ルールに従って評価を受け、条件を満たすと取引成績に応じた報酬を目指せるサービス。 |
| EA・cBot | 決められた条件で売買を自動実行するプログラム。EAは主にMT4・MT5、cBotはcTraderで使います。 |
| Payout・Reward | 取引成績に応じて受け取る報酬。この記事では分かりやすく「出金」と呼びます。 |
| Balance(残高) | 決済済みの取引結果などが反映された口座残高。 |
| Equity(有効証拠金) | 残高に現在の含み損益を反映した金額。 |
| 日次損失制限 | 1日の損失に設けられた上限。計算方法は会社・プランによって異なります。 |
| 最大損失制限 | 口座全体で守らなければならない損失の限界。 |
| 損失余力 | 現在の口座資金と失格ラインの間に残っている金額。 |
特に覚えておきたいのは、残高と有効証拠金は同じではないという点です。
例えば残高が100万円でも、保有中のポジションに5万円の含み損があれば、有効証拠金は約95万円になります。
プロップファームでは、この有効証拠金も損失制限の判定に使われる場合があります。
EA・cBotを安全に再開するには、現在の残高だけでなく、「あといくら損失が出ると失格になるのか」を確認する必要があります。
プロップファームの「出金」とトレード損失は別のもの
まず知っておきたいのは、プロップファームでいう出金は、一般的なFX口座から自己資金を引き出すこととは仕組みが異なる場合があるという点です。
Fintokeiではパフォーマンス報酬、FTMOではReward、PipFarmではPayoutなど、会社によって呼び方も違います。
Fundoraのように、評価段階から認定後までデモ環境で取引し、契約条件に基づいて報酬を受け取る仕組みもあります。
厳密には各社で報酬の仕組みや契約上の扱いが異なりますが、読みやすさを優先して「出金」「報酬受取」と表現します。
そしてEA開発者として重要だと考えているのが、口座残高が変化した理由です。
自分で口座を管理しているなら、取引履歴やダッシュボードを見て、どの理由で残高が変わったのか判断できます。
しかし、EAが前回の残高と現在の残高を比較するだけで損失を計算していたらどうでしょうか。
報酬受取による残高の減少までトレード損失として数えてしまう可能性があります。
$2,000のトレード損失で減ったのか、$2,000の報酬処理によって減ったのかでは、意味がまったく違います。
これは説明用の仮定ですが、EAが理由を区別できなければ、どちらも「$2,000の残高減少」と判断してしまいます。
プロップファーム向けEAでは、残高の差額だけでなく、取引履歴や報酬処理の情報まで確認する設計が重要になります。
EAが出金を「大きな損失」と勘違いするとどうなる?
報酬処理を想定していないEAでは、口座が正常でも安全装置が意図しない動きをする可能性があります。
安全装置が働いてEAが停止するだけなら、口座に新しいリスクを加えないという意味では、まだ安全側の問題です。
それより注意したいのは、以前の残高や損失ラインを使ったまま、EAが次の取引を始めてしまうことです。
例えばEA内部では「あと$1,000の損失まで大丈夫」と判断していても、実際の損失余力が$500しかなければ危険です。
以前と同じロットで取引するだけでも、失格ラインに近づく可能性があります。
これ、バックテストだけ見ていると気づきにくいんですよね。
通常のバックテストでは、途中で報酬を受け取り、口座残高や損失制限が変化する処理まで再現していないことが多いためです。
売買ロジックが正常に動いていても、残高や損失ラインの計算を間違えれば、プロップファームの失格条件に近づいてしまいます。
私なら報酬受取を「運用サイクルの区切り」にする
出金をEAが自動検知し、残高や損失ラインをすべて更新する仕組みも考えられます。
ただし、毎日発生するわけではない報酬処理まで複雑に自動化すると、確認すべき条件が増えてしまいます。
私ならまず、報酬を受け取るタイミングを、いったん運用を区切るタイミングとして扱います。
この方法なら、報酬処理前と処理後の口座状態を分けて管理できます。
ただし、すべての会社で同じ手順になるわけではありません。
FTMOでは、Reward申請前に保有ポジションと予約注文をすべて閉じる必要があります。
Funded7では、Payout申請時に保有ポジションが自動決済され、処理が終わるまで取引できなくなります。
Fintokeiでは報酬申請時にポジションを閉じる必要があり、一時的な読み取り専用状態を経て取引を再開できます。
これらの違いを把握したうえで、利用する会社に合った手順を決めましょう。
プロップファーム6社を比較|出金後のEA・cBotはどうなる?
Fintokei、Funded7、FTMO、Fundora、FundedNext、PipFarmでは、報酬を受け取る際の口座の扱いが異なります。
2026年10月10日時点で確認できる公式情報をもとに、EA・cBotの再開判断に関係する部分を整理しました。
| サービス | 報酬処理の特徴 | 自動売買での注意点 |
|---|---|---|
| Fintokei | 残高・日次ラインを調整 | 新しい基準を確認 |
| Funded7 | 申請時に自動決済 | 読み取り専用解除を待つ |
| FTMO | 申請前に全注文を終了 | 次の運用期間へ切替 |
| Fundora | 報酬条件と周期あり | 新しい口座状態を確認 |
| FundedNext | Stellar Instantは損失ライン維持 | 出金後の余力を計算 |
| PipFarm | 口座方式で損失管理が異なる | 審査中は取引停止 |
同じ会社でも、1-Step、2-Step、Instantなどのプランによって損失ラインの計算方法が変わることがあります。
EA・cBotを設定するときは、会社名だけでなく、契約したプランと損失制限の計算方法も確認してください。
Fintokei|報酬受取後は残高と日次損失ラインを確認する
Fintokeiでは、Instant Payoutによって申請した報酬額が口座残高から差し引かれ、口座は継続利用できる仕組みが案内されています。
ただし、申請する際には保有中のポジションを閉じる必要があります。
申請後は一時的に読み取り専用となりますが、公式FAQでは即時報酬の処理により、短時間で取引を再開できると説明されています。
報酬処理後はDaily Lossラインも変わる
Fintokeiで特に注意したいのが、1日の損失制限です。
公式FAQでは、報酬が支払われた日の失格ラインについて、支払い申請額を差し引いて調整する仕組みが説明されています。
例えば、報酬支払い前の失格ラインが997万5,000円で、50万円の報酬を申請した場合、新しい失格ラインは947万5,000円になります。
これはFintokei公式FAQに掲載されている計算例です。
一方、口座全体の最大損失ラインについては、初期資金を基準とする方式が説明されています。
つまり、日次損失と最大損失では、報酬受取後の扱いが同じとは限りません。
私ならMyFintokeiで現在の残高、有効証拠金、日次損失の残り余力、全体の損失余力を確認します。
EAの中に保存した古い基準値をそのまま使わず、最新の状態に合わせて更新してから運用を再開します。
報酬処理後に口座状態が更新されていても、EA内部の数値が自動更新されるとは限りません。日次損失の基準が切り替わる時間帯も含めて確認してください。
Funded7|Payout申請中はEA・cBotを取引再開させない
Funded7では、Payout申請を行うと保有中のポジションが自動的に決済され、口座が読み取り専用になります。
読み取り専用とは、口座の情報を見ることはできても、新しい取引を実行できない状態です。
この制限は、報酬処理が完了するまで続きます。
自動決済されるからといって、EAを動かしたままでよいわけではない
私なら、Funded7で報酬を申請する前に、EAの新規エントリーを止めます。
申請と同時にポジションが決済されるため、EA内部の「まだポジションを保有している」という記録と、実際の口座状態が食い違う可能性があるからです。
報酬処理が完了したあと、実際の保有ポジション、予約注文、現在の残高を取得し直します。
さらに、読み取り専用が解除されたことを確認し、日次損失と最大損失の余力を再計算してから自動売買を再開します。
EAを再起動しただけで、すべての管理情報が正しく初期化されるとは限りません。
特に複数EAでポジションを管理している場合は、口座全体の状態を確認する必要があります。
FTMO|Reward申請前にポジションと予約注文を閉じる
FTMOでは、Rewardを申請する前に、保有しているポジションと予約注文をすべて閉じる必要があります。
公式FAQでは、対象口座で最初の取引を行ってから14日目以降に、条件を満たせば報酬を申請できると説明されています。
ここで注意したいのは、報酬申請によって運用期間が区切られることです。
FTMOでは次の取引期間に合わせた再設定が重要
FTMO 1-Stepと2-Stepでは、報酬の扱いや利益を口座に残す仕組みが異なります。
そのため、報酬を受け取ったあとも以前と同じ残高を前提にロットを計算してよいとは限りません。
私は、Reward申請前にEAを停止し、すべてのポジションと予約注文がなくなったことを確認する設計にします。
報酬処理後は現在の口座状態を取得し直し、次の取引期間に合ったロットと損失管理を設定します。
特に複数EAを運用している場合、一部のEAだけを停止しても、別のEAが新規注文を出してしまう可能性があります。
FTMOでは、口座全体のEA・cBotをまとめて管理する方法が分かりやすいでしょう。
Fundora|報酬条件とcBotの再起動を分けて考える
Fundoraでは、Pro口座で一定の条件を満たすと報酬を受け取ることができます。
公式案内では、初回報酬は取引開始から28日後以降、2回目以降は14日間隔を基本とする仕組みが説明されています。
ただし、日数が経過しただけで必ず報酬を受け取れるわけではありません。
利益の偏りを確認する33.3%ルールや、取引内容の一貫性など、所定の条件を満たす必要があります。
条件を満たしていない場合は、報酬受取の時期が延期される仕組みも案内されています。
FundoraのcBotは報酬申請前に止めておくと管理しやすい
今回確認した公式情報では、Funded7と同じように、すべての報酬申請で必ず読み取り専用になるという仕様までは確認できませんでした。
そのため私は、cBotを自分で停止し、報酬処理を確認してから再開する運用を考えます。
cTrader Cloud上のcBotを停止するときは、停止前の情報が次回起動時にも残るとは限りません。
そのため、現在の口座残高や保有ポジション、損失ラインなどを、再起動時に取得し直す仕組みが重要です。
また、Fundoraでは報酬処理後に新しいデモ口座が付与される場合も考慮し、口座番号が変わったときの初期化処理を用意しておくと管理しやすくなります。
cBotで日次損失を管理する方法については、 FundoraのcBotで日次損失制限を管理する方法 も参考にしてください。
FundedNext|出金後に損失余力が小さくなる場合がある
FundedNextでは、プランによって最大損失の計算方法が異なります。
特に注意したいのが、Stellar Instantの最大損失制限です。
このプランでは、利益が増えると最大損失ラインも上がる仕組みがあります。
そして重要なのが、報酬を受け取って残高が減っても、上がった損失ラインは下がらないという点です。
出金額だけでなく、残りの損失余力を見る
例えば初期資金$10,000の口座で、残高が$10,200まで増えたとします。
このとき最大損失ラインが$9,600になっていれば、残高との差は$600です。
ここから$100の報酬を受け取って残高が$10,100になっても、損失ラインは$9,600のままです。
結果として、損失余力は$500に小さくなります。
| 確認項目 | 受取前 | 受取後 |
|---|---|---|
| 口座残高 | $10,200 | $10,100 |
| 損失ライン | $9,600 | 変わらず |
| 損失余力 | $600 | $500 |
これはFundedNext公式ヘルプセンターの考え方を基にした例です。
出金前のロットをそのまま使うのではなく、現在の損失余力から1回の取引で許容できる損失を計算します。
特に複数ポジションを持つEAでは、それぞれの損失リスクを合計して確認する必要があります。
Stellar Instant以外のプランまで、同じ仕組みだと決めつけないことも重要です。
PipFarm|出金後の損失ラインは口座タイプによって変わる
PipFarmは、今回比較するプロップファームの中でも損失管理の種類が多いサービスです。
特にInstant口座では、Equity Trailing、EOD Trailing、Payout Trailingという3種類の方式が用意されています。
名前だけでは分かりにくいので、簡単に整理します。
| 方式 | 損失ラインの動き |
|---|---|
| Equity Trailing | 含み益を含む最高値に連動 |
| EOD Trailing | 1日の終了時点で更新 |
| Payout Trailing | 報酬受取によって余力が縮小 |
特にPayout Trailingでは、報酬を受け取ることで残りの最大損失余力が減る仕組みがあります。
一方、Equity TrailingやEOD Trailingでは、報酬処理に伴って最高値の基準も調整されるため、同じ計算式では管理できません。
PipFarmはPayout審査中の取引を停止する
PipFarmの公式Help Centerでは、報酬申請前に保有ポジションがないことを条件とし、審査中は取引を停止するよう案内されています。
そのため、cBotを停止することは単なる安全対策だけでなく、報酬手続きの条件を守るうえでも重要です。
私なら、PipFarmという会社名だけで損失管理を決めず、契約している口座タイプと損失計算方式を設定として持たせます。
報酬を受け取ったあとは、現在の残高と最大損失ラインを確認し、その差から次のロットを計算します。
Payoutの申請間隔についても、Standard、Bi-Weekly、Weekly、On Demandなどの選択肢があります。
ただし、これらは契約時の選択や追加オプションによって変わります。実際の口座に適用される条件はダッシュボードで確認してください。
【PR】PipFarm公式サイトで口座タイプを見るEA・cBotへ実装するなら、残高だけでなく口座全体を管理する
ここからが、EA開発者として特に伝えたい部分です。
私はMT4・MT5のEAやインジケーター、cTrader関連システムを200個以上開発・制作・検証してきました。
その中でもプロップファーム向けの自動売買では、売買条件を作るだけでなく、損失制限や口座状態を監視する仕組みを重要視しています。
私なら売買するプログラムとは別に、口座の安全性を確認するRisk Manager(リスク管理プログラム)を用意します。
報酬処理をEA内部の状態として管理する
私が設計するなら、EA・cBotに「今は取引してよい状態なのか」を判断する仕組みを持たせます。
| 運用状態 | EAの動作 |
|---|---|
| 通常運用 | 条件を満たせば取引 |
| 報酬申請準備 | 新規エントリー停止 |
| 報酬処理中 | 取引せず状態を監視 |
| 処理完了 | 口座情報を再取得 |
| 再開許可 | 安全確認後に取引再開 |
こうしておけば、報酬処理中に誤って新規注文を出すリスクを減らせます。
ただし「報酬処理中」という状態をEA自身が正しく検知できるとは限りません。必要に応じて、管理者が手動で状態を切り替える方法も考えます。
日次損失と最大損失は別々に計算する
日次損失制限は、毎日の決まった時間に基準が更新される方式があります。
一方、最大損失制限は初期資金で固定される方式や、利益が増えると失格ラインも上がる方式があります。
同じ数字を使って計算すると、どちらかのルールに合わなくなる可能性があります。
会社・プランごとの公式ルールをもとに計算し、ダッシュボードの数値と照合します。
確認できないときは、新規取引を停止する設計にしておく方が安全です。
複数ポジションの損失リスクも合計する
EAを1つだけ動かしている場合と、複数のEAを同じ口座で動かしている場合では、管理方法が変わります。
例えば、それぞれのEAが「自分はあと$300まで損失を許容できる」と判断していても、3つのEAが同時に取引すれば合計$900の損失リスクになります。
口座全体の残り余力が$500なら、その状態で全EAが取引するのは危険です。
そのため私は、個々のEAだけではなく、口座全体のロット、保有ポジション、予定損失をまとめて管理する方法を考えます。
なお、損切り注文を設定していても、急変動や価格の飛びによって予定より大きな損失が出る可能性はあります。
VPSとcTrader Cloudでは再起動後の確認方法も変わる
EA・cBotを停止したあと、もう一つ注意したいのが再起動です。
MT4・MT5をVPSで動かしている場合、EAが保存した以前の基準値が残っていることがあります。
一方、cTrader Cloudでは、停止したインスタンスの保存ファイルが次回起動時にも残ることを前提にできません。
つまり、どちらも「再起動すれば自動的に正しい状態へ戻る」と考えない方が安全です。
以前のデータが残る場合がある
保存した口座番号や損失ラインが古くなっていないか確認します。
保存データが消える場合を考える
起動時に現在の口座情報から必要な管理データを作り直します。
私なら、どちらの環境でも起動した直後は取引を許可せず、現在の口座状態を確認してから売買を始める仕組みにします。
また、報酬処理後に口座番号が変わる場合には、以前の口座の設定を誤って引き継がないようにします。
バックテストだけでは出金後のリスクを確認できない
EAを作るとき、バックテストは重要です。
ただし、通常のバックテストだけでは確認しにくいこともあります。
その代表例が、報酬受取による口座状態の変化です。
売買そのものは問題なくても、途中で残高が減ったり、損失ラインが変わったりすると、EA内部の計算が正しくなくなる場合があります。
例えばテスト中に、報酬処理に相当する残高調整を発生させてみます。
そのあとEAが誤って大きな損失と判断しないか、以前のロットを使い続けないか、損失ラインを正しく更新するかを確認します。
さらに、報酬処理中の再起動や、処理後に口座番号が変わった場合も想定します。
このようなテストは、通常の売買バックテストとは分けて行う必要があります。
特にMT4・MT5のストラテジーテスターやcTraderのバックテストが、実際のプロップファームの報酬処理まで自動的に再現するわけではありません。
私は、売買ロジックの検証に加えて、停止・再開・残高調整などを確認する専用テストも大切だと考えています。
出金後にEAを再開する前のチェックポイント
報酬処理が完了したからといって、すぐにEAをONにする必要はありません。
まず確認したいのは、現在の残高と有効証拠金です。
次に、今日の損失ラインと口座全体の最大損失ラインを確認します。
そして、損失余力に対してロットが大きすぎないか、複数のポジションを同時に保有しても問題ないかを見直します。
| 確認項目 | 再開前の判断 |
|---|---|
| 残高・有効証拠金 | 処理後の値に更新済み |
| 損失ライン | 現在の公式基準と一致 |
| ロット・ポジション数 | 残り余力の範囲内 |
| 口座の取引状態 | 取引再開が許可されている |
| EAの保存データ | 古い情報を引き継いでいない |
数字が合わないときにEAへ推測で取引させるより、公式ダッシュボードやサポートで確認してから再開する方が安全です。
また、経済指標発表の直前や週明けなど、相場が大きく動きやすい時間帯の再開にも注意が必要です。
報酬処理が終わったからといって、急いで次の取引を始める必要はありません。
よくある質問|出金時のEA・cBot運用
出金すると必ずEA・cBotを止めなければいけませんか?
すべてのプロップファームで共通の停止義務があるわけではありません。
ただし、報酬申請中の取引禁止やポジション決済など、会社ごとの条件を守る必要があります。
安全性を重視するなら、いったん停止して口座状態を確認する方法が分かりやすいでしょう。
出金後も以前と同じロットで取引できますか?
同じロットを使えるかどうかは、報酬受取後の損失余力によります。
残高や最大損失ラインが変化している場合は、ロットの再計算が必要です。
特にトレーリング型の最大損失ルールでは、出金後の残り余力が小さくなることがあります。
出金するとEAのパラメーターをすべて変更する必要がありますか?
必ずしも売買戦略そのものを変更する必要はありません。
この記事で説明しているのは、主にロット計算、損失管理、口座状態の確認方法など、運用に関する部分です。
チャレンジ合格後に売買戦略を大きく変更する場合は、別途その会社のEA利用ルールや戦略の一貫性に関する条件を確認してください。
EAを止めたあと、再起動だけすれば大丈夫ですか?
再起動だけでは十分とは限りません。
古い基準値が残る場合もあれば、必要な保存データが消えている場合もあります。
EA・cBotを再開するときは、現在の口座情報と保存データを照合し、必要なら新しく読み込み直す設計が重要です。
報酬の受取方法や他社のルールも確認しておく
ここまで説明したのは、報酬を受け取る際の口座状態とEA・cBotのリスク管理です。
実際に報酬を受け取る方法は、各プロップファームによって異なります。
銀行送金、電子ウォレット、暗号資産などの違いについては、 Fintokei・FTMO・Funded7・FundedNextの出金方法を比較した記事 で詳しく整理しています。
また、これから利用するプロップファームを選びたい場合は、 主要プロップファームの取引ルール・EA利用条件の比較 も参考にしてください。
出金サイクルが短いという理由だけで選ぶのではなく、日次損失、最大損失、EAの利用条件、報酬申請条件まで比較することが重要です。
まとめ|出金後はEA・cBotの基準値を更新してから再開する
プロップファームでEA・cBotを継続運用するとき、見落としやすいのが報酬受取後の口座状態です。
報酬を受け取って残高が減っても、必ずしもトレードで損失が発生したわけではありません。
しかし、EAがその違いを判断できなければ、日次損失や最大損失を誤って計算する可能性があります。
さらに、Fintokei、Funded7、FTMO、Fundora、FundedNext、PipFarmでは報酬処理の仕組みが異なります。
特に、出金後に損失ラインがどう動くかは、会社名だけでなく契約プランまで確認する必要があります。
私なら、報酬申請前に自動売買を止め、必要な注文処理を済ませます。
その後、現在の残高、含み損益、日次損失ライン、最大損失ラインを確認します。
損失余力が変わっていれば、ロットや最大同時ポジション数も調整します。
そしてEA内部の基準値を更新し、正常に管理できていることを確認してから取引を再開します。
プロップファーム向けEAは、チャレンジを突破したら開発が終わりというわけではありません。
むしろFunded口座やPro口座へ進んだあとに、報酬処理、損失ラインの変化、口座更新、再起動といった実運用の管理が重要になります。
コードを書くことより、こうした想定外の動きを防ぐ設計の方が難しい部分なんですよね。
EA・cBotを継続して利用するなら、利益を狙う仕組みと同じくらい、正しく停止し、安全な状態で再開できる仕組みを大切にしてください。
本記事は2026年10月10日時点で確認できる公式サイト、FAQ、Help Centerなどの情報をもとに作成しています。
報酬申請条件、出金周期、EA・cBot利用条件、損失制限、対応プラットフォームなどは変更される可能性があります。
利用前および報酬申請前には、必ず各社の最新公式情報と契約中の口座条件をご確認ください。
※本記事にはPR・アフィリエイトリンクを含みます。
※本記事は投資助言ではありません。
※プロップファームへの参加には費用が発生する場合があり、評価への不合格、取引ルール違反、報酬申請条件未達などのリスクがあります。
※バックテスト結果や過去の運用成績は、将来の利益や報酬の受取を保証するものではありません。

