プロップファーム × EA・cBot × リスク管理
- Account Rollingとは?プロップファーム7社の禁止ルールとEAリスク管理を開発者が解説
- 最初に知っておきたいプロップファームの重要用語
- Account Rollingとは?再チャレンジとの違い
- なぜプロップファームはAccount Rollingを禁止するのか
- プロップファーム7社のAccount Rolling・類似規制を比較
- Fintokeiの最大Open Risk 3%は「毎回3%使ってよい」ではない
- 取引リスクを0.5~1%に抑えると何が変わるのか
- 低リスク運用なら1-Phaseと2-Phaseのどちらが向いている?
- 複数口座・複数銘柄で運用すれば安定するのか
- EA・cBot開発者ならAccount Rolling対策をどう設計する?
- バックテストで利益が出ても実運用では安心できない
- Account Rollingについてよくある疑問
- まとめ|Account Rolling対策は長く続けられるリスク管理が重要
Account Rollingとは?プロップファーム7社の禁止ルールとEAリスク管理を開発者が解説
プロップファームで自動売買を始めるとき、「チャレンジに失格したら、もう一度購入してもいいのか?」と疑問に思ったことはありませんか?
最近のプロップファームでは、Account Rolling(アカウントローリング)と呼ばれる取引方法が問題視されています。
ただし、最初に知っておいてほしいことがあります。
チャレンジに失格して、新しいチャレンジを購入すること自体がAccount Rollingなのではありません。
問題になるのは、最初から複数の口座を使い捨てるつもりで大きなリスクを取り、「どれか1口座だけ合格すればよい」と考えるような取引です。
プロップファームでは、「規約で許されている最大リスク」と「長期間続けられる現実的なリスク」を分けて考えることが重要です。
例えばFintokeiは、オープンポジションの最大許容リスクを3%としていますが、通常の取引では0.5~1%程度を推奨しています。
EA・cBotを利用する場合も、利益を増やす仕組みだけでなく、損失が大きくなる前に新規取引を止める仕組みまで用意することが大切です。
この記事ではFintokei、FTMO、Fundora、Funded7、FundedNext、PipFarm、The5ersの7社について、Account Rollingと関連する取引ルールを比較します。
さらに、EA・cBot開発者の視点から、ロットの決め方、複数口座の管理、1-Phaseと2-Phaseの選び方まで掘り下げていきます。
監修・執筆:まさやん|MT4・MT5のEA、インジケーター、cTrader関連システムなど200個以上を開発・制作・検証
情報確認日:2026年10月10日
最初に知っておきたいプロップファームの重要用語
プロップファームのルールには、普段のFX取引ではあまり使わない言葉が出てきます。
まずはこの記事を読むために必要な用語だけ、簡単に整理しておきましょう。
| 用語 | 簡単な意味 |
|---|---|
| Account Rolling | 複数口座を使い捨て、高リスク取引で一部の合格を狙う方法 |
| Challenge | 利益目標などを達成して合格を目指す評価段階 |
| Funded / Pro | 評価後の報酬対象段階。会社により名称が異なる |
| Open Risk | 保有中の取引が抱えている損失リスク |
| Daily Loss | 1日に許される損失の上限 |
| Maximum Loss | 口座全体で許される最大損失 |
| 1-Phase | 1段階の評価を通過する方式 |
| 2-Phase | 2段階の評価を通過する方式 |
| Scaling | 条件達成によって取引資金枠などを増やす制度 |
| Gambling Trading | 計画的な取引より一発勝負に頼る方法 |
| Sustainable Trading | 無理のないリスクで長く続けることを目指す取引 |
EAはMT4・MT5などで動く自動売買プログラム、cBotはcTraderで動く自動売買プログラムです。
どちらも決めた条件で自動的に売買できますが、プロップファームでは「売買を自動化すること」と「取引ルールを守ること」は別として考える必要があります。
Account Rollingは単にチャレンジを買い直すことではありません。
口座を使い捨てる前提で、過大なリスクを繰り返す取引パターンが問題になるのです。
Account Rollingとは?再チャレンジとの違い
Account Rollingとは、複数の評価口座を使い捨てる前提で大きなリスクを取り、どれか一部の口座が合格することを狙う取引方法です。
Fintokeiの公式FAQでは、複数のチャレンジを購入して無謀な取引を行い、口座を失ったら別の口座で同じことを繰り返す行為として説明されています。
FundedNextも、一部の評価口座を意図的に犠牲にして、ほかの口座の合格を狙う方法をAccount Rollingとして禁止しています。
通常の再チャレンジとは何が違う?
失格原因を確認して再挑戦
検証した戦略と一定のリスク管理を使い、失格した場合は原因を確認して再挑戦します。
口座の使い捨てが前提
一部の口座が失格することを織り込み、過大なリスクで短期間の合格を狙います。
例えば、同じEAを使って慎重にチャレンジへ取り組み、結果的に失格して再挑戦する場合があります。
一方、最初から10口座のうち9口座が失格しても、1口座だけ合格すればよいという考え方で大きなロットを使う場合は、運用目的が異なります。
重要なのは、チャレンジを何回購入したかだけではなく、どのようなリスクで取引していたかです。
ただし、「1回あたりのリスクが1%以下なら問題ない」「3%の取引をしたら必ずAccount Rollingになる」といった単純な判断もできません。
購入頻度、複数口座の関係、売買方法の一貫性、取引全体のリスクなどを含めて判断される可能性があります。
なぜプロップファームはAccount Rollingを禁止するのか
理由は、短期間の大きな利益だけでは、安定した取引能力を判断しにくいからです。
プロップファームのチャレンジには利益目標があります。そのため、できるだけ早く合格したいと考える人も多いでしょう。
1回の取引で大きなリスクを取れば、相場が予想どおりに動いたとき、利益目標へ一気に近づく可能性があります。
しかし、反対方向へ動いた場合は日次損失や最大損失の上限へ到達しやすくなります。
大きなロットを使えば、少ない取引回数でチャレンジに合格する可能性があります。
その反面、数回の負けで失格する可能性も高くなります。
失格するたびに新しい口座を買い、同じ高リスク取引を繰り返すと、売買能力の評価というより、偶然の大勝ちを待つ運用に近づいてしまいます。
FTMOも、実際の市場で合理的に再現しにくい取引の例として、過剰なレバレッジ、特定の方向への大きな賭け、Account Rollingなどを公式ルールに記載しています。
つまりプロップファームでは、単に利益を出せばよいのではなく、その利益をどのような方法で生み出したのかも重要になります。
EAやcBotを使ったとしても、取引内容が高リスクであれば問題になる可能性があります。
自動売買は取引の実行方法であって、Account Rollingなどの禁止ルールを回避する仕組みではありません。
プロップファーム7社のAccount Rolling・類似規制を比較
2026年10月10日時点で確認できる公式情報では、7社すべてがAccount Rollingという同じ名称を使っているわけではありません。
会社によっては、Account Churning、ギャンブル的な取引、過大なポジション、複数口座を使ったルール回避などを禁止しています。
| 会社 | 規制の中心 | 再挑戦・注意点 |
|---|---|---|
| Fintokei | Account Rollingを明示 | 取引全体の持続性も確認 |
| Funded7 | 過大リスク・口座使い回し | 失格後の再購入制度あり |
| FundedNext | 短期大量購入・口座犠牲 | 偶然の合格狙いを禁止 |
| FTMO | 非現実的な高リスク取引 | 実市場での再現性を重視 |
| Fundora | 口座間ヘッジ・ミラー取引 | 複数口座の連動に注意 |
| PipFarm | Account Churning | 正式なRetry制度あり |
| The5ers | ギャンブル型・過大ポジション | プログラムごとに確認 |
表を見ると分かるように、会社によって禁止行為の名称は違います。
ただし、短期間の大きな利益だけを狙い、口座を繰り返し失うような運用を問題視している点には共通する部分があります。
Funded7|Account Rolling禁止と再購入制度は両立する
Funded7の利用規約では、過剰なレバレッジや、損失を回避するためのAccount Rollingを禁止しています。
一方で、チャレンジ口座が失格になった場合、同じサイズ・同じプランの新しい口座を待機期間なしで購入できる旨も記載されています。
これ、一見すると矛盾しているように感じますよね。
しかし、通常の再チャレンジと、口座を使い捨てることを前提にした高リスク取引は別です。
失格後の再購入が認められていても、過大なリスクで口座を次々失わせる運用まで認められているわけではありません。
Funded7では複数口座の保有条件や総資金枠にもルールがあります。
複数EAを動かす場合は、それぞれの口座だけでなく、他口座とのコピー取引や意図的な両建てになっていないかも確認しましょう。
Funded7の最新プランや購入条件を確認したい方は、以下から公式申込ページを確認できます。
【PR】Funded7のチャレンジプランを見るPipFarm|Account ChurningとRetry制度の違い
PipFarmでは、Account Rollingに近い行為をAccount Churningという名前で説明しています。
短期間に複数のチャレンジを体系的に購入し、試行回数を増やすことで偶然の合格を狙う運用が問題になります。
一方、PipFarmにはRetry Add-Onという正式な再挑戦制度があります。
対象チャレンジの購入時に追加できるオプションで、対象となる取引ルール違反によって失格した場合、1回の再挑戦口座が自動発行される仕組みです。
2026年10月時点の公式説明では、追加料金は基本チャレンジ価格の20%で、利用できるのは1回です。期限切れや取引していないことによる失格など、対象外のケースもあります。
PipFarmが用意したRetry制度を利用することと、複数口座を大量購入して偶然の合格を狙うことは同じではありません。
Fundora|複数口座を使ったリスク回避に注意
Fundoraでは、複数口座間の反対売買、損益を意図的に別口座へ振り分ける取引、同じような売買を繰り返すミラーリングなどが禁止対象になっています。
例えば、一方の口座で買い、もう一方で売ることで、片方の口座だけ利益を残そうとする運用には注意が必要です。
複数のcBotを動かす場合も、取引する銘柄やタイミングが重なることがあります。
そのためFundoraでは、cTraderの設定だけでなく、口座全体の取引パターンまで確認しておきたいところです。
The5ers|EA利用可能でも高リスク取引は別問題
The5ersでも、大きすぎるポジションや、一部の銘柄へリスクを集中させる取引、ギャンブルに近い取引が禁止されています。
特に、普段は小さなロットで取引しているのに、利益目標へ近づいた途端に極端にロットを増やすような行為には注意が必要です。
The5ersのEAに関する公式FAQでは、EAの利用を認める一方、ソースコードの所有や禁止手法について条件を設けています。
そのため、市販EAを購入しただけで無条件に利用できるとは判断しない方が安全です。
また、ニュース取引やEA利用条件はプログラムによって異なるため、参加するプランのルールを個別に確認しましょう。
Fintokeiの最大Open Risk 3%は「毎回3%使ってよい」ではない
ここからは、Account Rollingを考えるうえで重要な「取引リスクの大きさ」について説明します。
Fintokeiでは、オープンポジションの最大許容リスク3%と、通常取引で推奨する0.5~1%が分けられています。
例えば最大3%というルールがあっても、毎回2.9%のリスクを取ることが、長期間続けやすい運用とは限りません。
数回の負けで損失が大きくなり、チャレンジの継続が難しくなる可能性があります。
さらにFintokeiでは、持続性に問題があると判断した場合、最大Open Riskを通常の3%から1%へ縮小するよう求める場合があると説明しています。
3%は通常時の許容上限であり、毎回そこまで使うことを勧めている数値ではありません。
また、0.5~1%へ抑えたからといって、すべての取引ルールに適合することが保証されるわけでもありません。
Fintokeiの3%判定は複数ポジションにも関係する
Fintokeiでは、同じ銘柄・同じ方向で保有時間が重なる取引を、1つのTrade Idea(取引のまとまり)として扱います。
さらに、銘柄や方向が異なっていても、同時に保有しているポジション全体を確認する仕組みがあります。
現在の日本語FAQでは、最大リスク判定について、損失だけでなく利益も含めた損益全体を基準に計算すると説明されています。
つまり、EAの中で「損切り価格までの予定損失が3%未満」と計算しただけでは、Fintokeiの公式判定と一致するとは限りません。
USDJPY用EA、EURUSD用EA、GOLD用EAが、それぞれ別のタイミングで新規注文を出したとします。
各EAのリスクが小さくても、同時にポジションを保有すると口座全体のリスクは大きくなる場合があります。
そのため、EAごとではなく、口座全体を監視する仕組みが必要です。
取引リスクを0.5~1%に抑えると何が変わるのか
1回の取引リスクを小さくすると、連敗した場合の損失も比較的小さくなります。
例えば、口座資金に対する1回の予定損失を1%にする場合と3%にする場合を考えてみます。
| 比較項目 | 1%設定 | 3%設定 |
|---|---|---|
| 1回の負け | 小さい | 大きい |
| 連敗への耐性 | 比較的高い | 低くなりやすい |
| 利益目標への速度 | 遅くなりやすい | 速くなる可能性 |
| 失格ラインへの接近 | 緩やかになりやすい | 急になりやすい |
これは同じ売買ロジックを使い、ほかの条件が同じだった場合の比較です。
実際には損切り価格で必ず約定するとは限らないため、急変動時には予定以上の損失が発生する可能性もあります。
低リスクにするとチャレンジ突破が遅くなる
低リスク運用には、もう一つ大きな特徴があります。
それは、利益目標へ到達するまでに時間がかかりやすいことです。
1回の取引で狙う利益が小さくなれば、ある程度まとまった利益を積み上げるために、取引回数や運用期間が必要になります。
また、一度大きく損失が出たあとに、元の残高へ戻すまでの時間も長くなる場合があります。
これは悪いことばかりではありません。
ただし、チャレンジの期間制限、最低取引日数、報酬までの時間などを考えると、運用方針を決める重要な要素になります。
リスクを抑えるほど、短期間の失格リスクは軽減しやすくなります。
一方で、利益目標への到達が遅くなる可能性があるため、チャレンジのプラン選びも重要になります。
低リスク運用なら1-Phaseと2-Phaseのどちらが向いている?
私は、低リスクで長期間の運用を考えるほど、評価に必要な段階数と時間が重要になると考えています。
1-Phaseは1段階の評価を通過する方式です。
2-Phaseでは、1段階目を通過したあとに、さらに2段階目の評価をクリアする必要があります。
評価段階が少ない
1段階の評価を通過すれば次へ進めます。ただし、損失制限などが厳しい場合もあります。
2段階の評価が必要
評価に時間がかかる可能性がありますが、損失条件や料金面で有利なプランもあります。
2-Phaseでは評価時間が長くなる可能性
仮に低リスクで取引するEAが、1段階の利益目標へ到達するまで3か月かかるとします。
2段階とも同じだけ時間が必要なら、評価を通過するまでに合計6か月かかる計算です。
もちろん、これは仕組みを説明するための仮定であり、実際の合格期間を示すものではありません。
相場状況が悪ければさらに時間がかかる場合もあれば、想定より早く目標へ到達する場合もあります。
短期間で利益目標へ到達するためにロットを大きくするより、最初から運用期間を長めに見込んだ方が、売買方法を大きく変えずに済む場合があります。
1-Phaseなら必ず有利というわけではない
1-Phaseは評価段階が少ない反面、最大損失制限が厳しかったり、利益目標とのバランスが難しかったりするプランもあります。
また、損失上限が口座残高に固定される方式と、利益に応じて引き上がる方式では、EAに求められるリスク管理が変わります。
したがって、単に「1段階だから簡単」と考えるのは危険です。
利益目標、損失制限、料金、評価期間、EA利用条件を合わせて比較することが重要です。
1-Phaseの具体的な違いについては、プロップファーム1フェーズ比較|EAで選ぶFTMO・Fintokei・Funded7・FundedNextで詳しく解説しています。
FTMOの最新プランや評価条件を確認する場合は、こちらから公式サイトを確認できます。
【PR】FTMO公式サイトでチャレンジ条件を見る複数口座・複数銘柄で運用すれば安定するのか
低リスクで長期間運用するなら、複数のEA・cBotや複数の銘柄へ取引機会を分けるという考え方があります。
例えばUSDJPYだけでなく、EURUSDやGOLDなど、異なる値動きをする銘柄を検証する方法です。
ただし、銘柄や口座の数を増やしただけで、リスクが小さくなるわけではありません。
複数銘柄でも同時に損失が出ることがある
例えばUSDJPYとGBPJPYを同時に買った場合、円高方向へ大きく動くと両方で損失が出る可能性があります。
別々のEAで動かしていても、実際には同じ方向へリスクが集中していることがあるんですね。
このように、複数の銘柄が似た値動きをする関係を「相関」と呼びます。
EA・cBotでは、単に保有ポジション数を数えるのではなく、どの銘柄へどれだけリスクが集中しているかも確認したいところです。
詳しくはプロップファームで相関銘柄の別口座ヘッジは規約違反?でも解説しています。
複数口座を使う場合は各社ルールが優先
複数口座で同じEAを動かすと、取引内容がほぼ一致する場合があります。
会社によっては、自分名義の口座間でもコピー取引、ミラーリング、協調取引として制限される可能性があります。
そのため、複数口座を使うなら「全部同じEAを動かせばよい」と考えず、各社のルールを確認する必要があります。
口座数や銘柄数が増えるほど、管理する条件も増えます。
同一戦略の重複、口座間の反対売買、損失制限の回避と判断されるような取引は避けなければなりません。
EA・cBot開発者ならAccount Rolling対策をどう設計する?
ここからは、私が特に重要だと考えている自動売買システムの設計について説明します。
私はMT4・MT5のEAやインジケーター、cTrader関連システムなどを200個以上開発・制作・検証してきました。
その立場から考えると、プロップファーム向けEAでは、利益を出す条件だけでなく、損失を増やさないための仕組みを別に用意することが大切です。
例えば売買するEAとは別に、口座全体の損失を監視するRisk Manager(リスク管理システム)を設ける方法があります。
EA側で管理したい6つの項目
| 管理項目 | EA・cBotの動作 |
|---|---|
| ロット | 損切り幅と許容損失から計算 |
| Open Risk | 保有ポジションの総リスクを確認 |
| Daily Loss | 日次損失の残り余力を監視 |
| Maximum Loss | 口座全体の失格ラインを監視 |
| ニュース | 必要な時間帯に新規取引を停止 |
| 異常発生 | 不明な状態では新規注文を禁止 |
例えば、日次損失の上限が5%の口座であっても、EAの停止条件を5%ちょうどに設定するのは危険です。
注文を止めるまでに相場が動くこともありますし、スプレッドの拡大や決済時の価格のずれによって、想定より大きな損失になる可能性があるからです。
そのため私なら、公式の上限より手前に独自の停止ラインを用意する設計を検討します。
ただし、その停止ラインはEAの戦略や取引銘柄、会社ごとの損失計算方法を確認して決める必要があります。
複数EAを使うなら口座全体で判断する
EAを3個動かしている場合、それぞれのEAが自分の注文だけを確認していても、口座全体のリスクは正しく把握できません。
例えばEA-Aが1%、EA-Bが1%、EA-Cが1%のリスクを取っていれば、同時保有時には合計で大きな損失が発生する可能性があります。
もちろん、これは単純な予定損失の合計であり、会社ごとの公式判定と一致するとは限りません。
そこで必要になるのが、各EAが新規注文を出す前に、口座全体の状態を確認する仕組みです。
売買EAはエントリーと決済を担当し、Risk Managerは保有中の損失、ポジション数、取引可能な残り余力を管理します。
Risk Managerが取引停止と判断した場合は、新しい注文を出さないようにします。
MT5 EAとcTrader cBotでは実装方法が違う
MT5ではMQL5を使い、cTraderでは主にC#を使って自動売買システムを開発します。
使用するプログラミング言語は違いますが、基本的な考え方は共通しています。
まず現在の口座状況を読み込み、損失の残り余力を確認する。そのあとで新規注文を許可するか判断する流れです。
ただし、cTrader Cloudを利用する場合には、停止や再起動によって保存情報を引き継げないケースも考える必要があります。
特に日次損失の計算基準を保存しているcBotでは、再起動後に間違った基準値で計算を始めないよう注意しなければなりません。
この部分はFundoraのcBotで日次損失5%を管理する方法で詳しく解説しています。
バックテストで利益が出ても実運用では安心できない
EA・cBotの開発では、バックテストの利益率だけを見て判断しないことが重要です。
バックテストとは、過去の価格データを使って自動売買を検証する方法です。
過去の取引では利益が出ていても、実際の運用では同じ結果になるとは限りません。
実運用では予定どおりに注文できない場合がある
例えば急激な相場変動が発生した場合、指定した損切り価格より不利な価格で決済される可能性があります。
重要経済指標の発表時には、スプレッドが大きく広がることもあります。
また、VPSの停止、通信障害、取引プラットフォームの再起動なども考えられます。
普段は問題なく動くEAでも、こうした場面で損失管理が正常に働くかは別の問題です。
利益率だけではなく、最大連敗、最大ドローダウン、最大同時ポジション数、損失が集中した時間帯なども確認します。
そのうえで、実際の相場データを使ったフォワードテストを行い、バックテストとの違いを確かめることが大切です。
パラメーターを調整しすぎない
EAの設定値を細かく調整すると、過去の相場に非常によく合う結果を作れる場合があります。
しかし、過去の値動きに合わせすぎると、将来の相場ではうまく動かないことがあります。
これは過剰最適化と呼ばれる問題です。
特にプロップファーム向けEAでは、利益率を高く見せる設定より、相場が変わっても損失を管理しやすい設定を重視した方がよいと私は考えています。
過去の検証結果が良好でも、チャレンジ合格や報酬獲得が保証されるわけではありません。
実運用前には、注文エラー、急変動、EA停止、口座切り替え時の動作まで確認しましょう。
Account Rollingについてよくある疑問
Q.チャレンジに何回も失格したらAccount Rollingになる?
失格回数だけでAccount Rollingと断定することはできません。
通常のリスク管理で取引していても、相場状況によって連続して失格する可能性があります。
重要なのは、最初から口座を使い捨てるつもりだったのか、過大なリスクを繰り返していないか、複数口座で意図的な損益操作をしていないかといった点です。
Q.1回のリスクを1%以下にすれば問題ない?
1%以下だからといって、規約違反にならないことが保証されるわけではありません。
複数ポジションの合計リスク、売買方法の一貫性、禁止戦略、口座間の関係なども確認される可能性があります。
また、会社によっては独自のリスク計算方法があるため、通常の損切り額だけを基準に判断しないことが重要です。
Q.市販EAをそのまま使っても大丈夫?
EA利用が認められている会社でも、市販EAや第三者製EAの条件は異なります。
例えばFintokeiでは既製EAの利用条件に注意が必要ですし、The5ersではEAのソースコード所有に関する条件があります。
Funded7などでも、他の利用者と同じ取引が発生することでコピー取引やGroup Tradingの問題につながる可能性があります。
そのため、購入したEAを初期設定のまま使う前に、利用先の規約と売買内容を確認しましょう。
Q.1-PhaseならAccount Rollingを避けられる?
1-Phaseを選んでも、Account Rollingに関する取引ルールがなくなるわけではありません。
1-Phaseの利点は評価段階が少ないことですが、利用するEAのロットや取引方法が過大なリスクになっていないかは別に確認する必要があります。
まとめ|Account Rolling対策は長く続けられるリスク管理が重要
Account Rollingは、単純にチャレンジへ何度も挑戦することではありません。
問題になるのは、最初から口座を使い捨てる前提で大きなリスクを取り、一部の口座だけが偶然合格することを狙うような取引です。
Fintokei、FTMO、FundedNext、Funded7、Fundora、PipFarm、The5ersでは、それぞれ異なる名称や条件で高リスク取引を制限しています。
そして私が最も重要だと考えているのは、許可されている最大リスクと、長期間続けられる現実的なリスクは違うという点です。
例えば最大3%まで許容されていても、毎回その近くまでリスクを取る必要はありません。
一方で、0.5~1%程度へリスクを抑えれば、チャレンジの利益目標へ到達するまでの時間が長くなる場合があります。
だからこそ、1-Phaseと2-Phaseの違い、取引機会の分散、複数口座のルール、EA・cBotの損失管理まで含めて運用方法を考える必要があります。
私なら、チャレンジに合格する直前だけリスクを下げるのではなく、最初から長期間運用できるロットと損失管理を基準にEAを設計します。
売買ロジックだけでなく、日次損失、最大損失、複数ポジション、ニュース時の停止、再起動後の復元まで含めて1つのシステムとして考えます。
Account Rolling規制が厳しくなるほど、私はむしろEA・cBotによる低リスクの長期運用に意味があると考えています。
EAは規約を回避する道具ではありません。
自分で決めたリスク管理を、感情に左右されずに繰り返すための仕組みです。
これからプロップファームを選ぶ方は、利益目標やチャレンジ料金だけでなく、利用するEA・cBotがその会社の損失制限と禁止取引に対応できるかを確認してみてください。
※上記リンクにはPR・アフィリエイトリンクが含まれます。各社の料金、利益目標、損失制限、EA・cBot利用条件、報酬条件は変更される場合があります。
本記事は2026年10月10日時点で確認できる公式情報をもとに作成しています。
チャレンジ購入前には、Account Rolling、日次損失、最大損失、EA・cBot利用条件、コピー取引、複数口座、ニュース取引などを各社の公式FAQ・利用規約で確認してください。
本記事は情報提供を目的としたもので、投資助言ではありません。
プロップファームには参加料金、失格、報酬条件、規約変更などのリスクがあります。過去のバックテストや運用結果は、将来の利益、チャレンジ合格、報酬獲得を保証するものではありません。

